また日本経済の柱は、輸出と個人消費となっていますので、海外経済の動向が日本経済に与える影響は大きなものがあります。このため、世界経済の動向、とくに世界経済を引っ張っているアメリカ経済の動向を把握することが重要です。
アメリカの経済指標で最も重要な指標が、雇用指標です。毎月、第1週金曜日に発表される「雇用統計」は世界中が注目します。アメリカの失業者が減少して、労働に従事する人が増えれば、それだけ巨大なアメリカ市場での個人消費が増え、アメリカの輸入も増えるからです。アメリカの輸入が増えるということは、日本企業からの輸出が増えるという意味でもあります。
他にも、アメリカのGDP(四半期毎に発表)、毎月発表される鉱工業生産、住宅販売指数、個人消費などは把握する必要があると思います。同様に、ヨーロッパ経済と中国経済も把握するように努めれば、これから日本企業の業績にプラスかマイナスかといった判断を下しやすいと思います。
東証での外国人投資家の動向に注意する点といえば、ヘッジファンドの決算の時期は注意が必要です。ヘッジファンドは4半期ごとに決算を行います。3月、6月、9月、12月の末日が決算期日ですが、ヘッジファンドの顧客が解約できる期限は決算期日の45日前というルールがあります。ですから、顧客が12月決算の前に解約したければ10月15日までにヘッジファンドは持っている株を売って換金する必要が出てきます。10月の株式市場の成績が良くない理由のひとつは、ヘッジファンドの換金売りと言われています。逆にいえば、10月の底値で株を買えば、利益がでる確率が高いと言われているのです。