外貨預金?それともFX?
外貨預金とは何か?
外貨預金とは、金融機関に外貨を預けることであり、銀行の定期預金に似ています。
ただし、原則的に日本円から外貨への両替が必要なので、預金時には金融機関が提示している為替レート分だけ目減りするのです。
この為替レートは為替相場と連動しており、円高円安の影響をそのまま受けるので注意しましょう。
この外貨預金を扱っている主な金融機関は、インターネット上で営業しているネット銀行、各メガバンク、日本の金融庁から許認可を受けている外資系銀行の日本支店です。
オンライン対応している金融機関であれば、自宅のパソコンやスマートフォンからいつでも外貨預金を行えます。
資産の一部を外貨として持つメリットとしては、日本円の価値が下がっても資産減少を防げるリスクヘッジ、海外旅行における現地での現金払いなど色々あります。
大きなスケールで考えるのならば、留学時に現地で使える銀行口座の準備、希望する国の永住権を取得する為の実績作りまで視野に入るのです。
けれど、外資系銀行の日本支店で開設できる口座は、日本国内で使用することが前提となっており、海外支店の口座は現地でなければ作れないケースも見られます。
外資系銀行は、採算が合わないと判断したらすぐに撤収してしまうので、よく考えてから外貨預金をすることをお勧めします。
外貨預金とFXの大きな違い
円高になると急にCMが増える外貨預金ですが、為替レートによる価値の変動こそあれ、公式な資料である貸借対照表では資産として扱われます。
ところが、FXのポジションは将来的に解消されるから資産とは見なされず、債権債務として時価で貸借対照表に計上するのです。
この他には、預金時に予め期間を設定する為、途中解約しない限り満期になるまで手元に戻せない点もFXと大きく違います。
それから、外貨預金では、50万円単位のように、一定以上の金額でなければ預けられないケースが多いです。
外貨預金は、長期運用を前提に設計されている金融商品と言えるでしょう。
外貨預金とFXは、税金面でも扱いがかなり違っています。
まず外貨預金については、受け取った利息について税金がかかるのですが、この部分については源泉分離課税となっているので確定申告の手間はありません。
しかし、外貨を日本円に戻す時に有利な為替レートであったら、その為替差益に対しても課税されてしまうのです。
為替差益が発生したら、忘れずに総合課税の雑所得として確定申告を行いましょう。
もちろん、FXの利益についても確定申告をする義務があるのですが、2015年2月時点では店頭取引でも申告分離課税となっています。
雑所得として計上するものの、同様の先物取引を除いて損益通算できないのが特徴です。
なぜ外貨預金ではなくFXを選ぶ方が多いのか?
まとまった資金を長期的に預けられる方にとっては、外貨のまま運用する外貨預金も魅力的です。
だけど、特に海外で活動する予定がなく、1ヵ月ぐらいで利益を確定したい方には、為替レートの変動に対応できない金融商品はあまりお勧めできません。
そもそも、外貨預金は、これから5年、10年後の為替レートと自分の姿を見据えて行うものであり、目先の増減で一喜一憂してしまう場合は運用方法を再検討する必要があります。
金融商品にはそれぞれ一長一短があるので、しっかり比較した上で大切な資金を投入しましょう。
外貨預金ではなくFXを選ぶ方が多いのは、最短5分間程度で済ませられる柔軟性があるからです。
忙しい社会人でも空き時間で投資運用を行えるとあって、外貨に興味があったが外貨預金をするほどの余剰資金がなかった方を中心に、続々と新規口座開設をしています。
FXは、外貨預金に比べて買値と売値の差であるスプレッドが狭く、短時間での連続売買も気軽に行える環境となっています。
通貨ペアの利息の差であるスワップを受け取る長期投資も可能でして、外貨預金とFXの違いを知れば知るほど、FXが優れていることを実感できるのです。